EarStudio ES100 徹底レビュー?

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 つい数日前まで、この商品も発売元のRADSONEというメーカーも知らなかったが、現在はすでに手元にある(笑)

これは何の商品かというとBluetoothレシーバとヘッドフォンアンプを兼ねた商品。ご存知のとおり、iPhone7からイヤホンジャックが廃止され、ユーザーに多大なる迷惑を掛けながらも、なんだかんだでAirPodsなる無線イヤフォンをヒットさせてしまったApple

ただ、イヤフォンにそれなりのお金をかけていた私は、おそらくはAirPodsの音質では満足しないだろう、との考えから、4~5年前、悩んだ挙句、結局ポータブルアンプ(以下、ポタアン)を購入した。

 

 

OPPO ヘッドホンアンプ・DAC HA-2SE

OPPO ヘッドホンアンプ・DAC HA-2SE

 

 もう発売は終了しているが、買ったときは4万円ぐらいしたそれなりのポタアン。(私が所有してるのは、上記リンクの前モデルのHA-2) どうやって使うかというと、iPhoneのlightning端子からポタアンのUSB端子に有線接続し、一方でポタアンに有線のイヤホンを刺して使う。そういった訳で、このポタアン自体は非常にコンパクトなサイズなのだが、普段使用するときは、iPhoneとポタアンを重ねて持って使うしかない。まあ傍から見ると、iPhoneのバッテリーが完全に死んでて、巨大バッテリーを常に一緒に持ち歩いてる人に見えたんだろうな・・・

 

音質はiPhoneに付属しているLightningとイヤフォンジャック変換コネクターを介して聴くのでは雲泥の差で、かれこれ4~5年使っているが、十分に満足していた。

ところが・・・

ポタアン側のUSBジャックがだんだん抜けやすくなってきて、iPhoneとポタアンのセット(以下、ポタアンセット)を手で持っているときは問題ないのだが、ポタアンセットをカバンに移したりするとカバンの中で暴れたりして頻繁に音が途切れるようになった。

もう超ストレス。これでは音楽を楽しむどころではない。

まあカバンにしまうときはポタアンセットをバンドで固定するとか色々考えたのだが、iPhoneも買い替えてさらに大きくなってしまったし、そもそもこのポタアンセットの運用ってどうなんだ?と段々疑問に思ってきた。

 

そんな訳で、無線(Bluetooth)を使った何かよい解決策がないかな、とまずは、両耳が完全に独立したイヤフォンをネットで物色してみた。

で、いろいろレビューをみると、両耳独立イヤフォンは左右のイヤフォン同士が通信することもあいまってか、人込みで通信が途切れる、など、運用面において課題が多いことが分かった。(もちろん全部が全部でないにせよ。) しかも音質もそれなり、お値段は意外とお高めと、音質をあまり犠牲にしたくない私としてはあまり食指が動かなかった。

そこで、見つけたのが・・・・前置きが随分長くなったが今回レビューする「EarStudio ES100」。手持ちのイヤフォンが生かせるのと、小さいボディ、そして音質も結構よく、さらに値段が安い、とのこと。これは私が求めていたアイテムではないか?ということで早速購入してみた。

HA-2 vs ES100聴きくらべ。

 使用するイヤフォンはどちらもWestone W40。

 いいイヤフォンだが、W40の紹介は今回は置いておいて、早速聴き比べ。

ちなみにHA-2は3.5mmのバランス接続、ES100は2.5mmのバランス接続。使っているケーブルはどちらも中華ケーブルの安物。音源はiPhoneのAppleMusicのもの。

さて聴き比べると・・・まあやはりHA-2の勝ちですよ。同じぐらいの音質であってほしいという願いをよそに(笑)

プロのレビュアーみたいに上手な表現は出来ないが、HA-2を通して聴くと、一聴して豊かに音が鳴ってるな、という安心感に包まれる。ポータブルに求める音質はこれぐらいで十分という感じ。

一方、ES100は、まあBluetoothイヤフォンにありがちな、ホワイトノイズは皆無で、バランス接続で聴くと音が左右にしっかりと広がっているのは感じる。だけども、HA-2に比べると、豊かな音に包まれているという安心感までには至らない。高音、中音、低音、どのパートもちょっとずつ音が痩せて、若干ガサついて聴こえる。

なので、無条件にいい音というよりは、”bluetoothにしては”というエクスキューズがついてしまう。いやあ、なんだかんだで耳って贅沢になってしまうものなのね。

ES100、3.5mmアンバランスと2.5mmバランス接続の差について

アンバランス、バランスって何?という方は超ざっくりしているが、下記をご参照いただければ。

e-earphone.blog

これは手持ちのケーブルで比較する限りでは、まあ2.5mmバランス接続が圧倒的に高音質という訳でもない、と感じた。たしかに2.5mmは音の広がり、分離を感じるが、その代わり、若干パンチに欠ける。

一方、3.5mmは音がごちゃっとまとまって聞こえる一方、サウンド全体に迫力が出る。

・・・といっても敢えて言えば、というレベルで、すごく違うということは正直思わなかった。

結論、EarStudio ES100は買いか?

上記で触れてなかったけども、ES100用のスマートフォンアプリがあって、これが実に使いやすく、また弄れる設定は全てユーザーに触らせてあげようという変態仕様。仮にbluetoothの音質に満足しなかったとしても、アプリのイコライザーでかなり音を追い込むことは出来る。

また、サイズがめちゃくちゃ小さい。昔あったiPod shuffle・・・とまではいかないがあのレベル。iPhoneとポタアンを同時に手で持って、さらにポタアンからは有線のイヤフォンケーブルが出ている・・・というシチュエーションと比べると、涙が出るほど楽な取り回し。

これらはこの商品の素晴らしい点であり、また値段もこの手の商品にしては手が出しやすい1万円前後ということもあり、上記の点に納得すればすぐに購入してもいいかもしれない。

ただ、音質に対する過度な期待はしてはいけない。もっとも私の場合、iPhoneでしか接続していないので、より高品位なコーデックは試していないのだが、まあそれでもめちゃくちゃ音質が上がるということもないだろう。

というわけで、有線イヤフォンをすでに持っていて、気軽に無線でスマートフォンに接続して音楽を聴きたいという方にはおススメ出来る。

一方で、中級、高級のイヤフォン、ヘッドフォンをお持ちで、これまでそれなりに高いポタアンで聴いていた人は、よくよく用途を考えて選んで頂きたい。この商品は、手軽に”それなりに”いい音で無線での音楽を楽しむもので、音質をとことん追求したモデルではない。音質の妥協と運用面での手軽さのバランスをどこでとるか、でこの商品の評価も変わってくると思う。